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「資産運用で大切な4つのこと」『投資の鉄人』著者4人によるトークイベント&サイン会に参加してきました

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資産運用で大切な4つのこと

2017年06月22日に梅田 蔦屋書店にて開催されたトークイベントに参加してきました.
最近出版された「投資の鉄人 (日経プレミアシリーズ)」の内容に沿ったテーマでイベントは進行されました.その概要を書いていこうと思います.


登壇者
岡本 和久さん
馬渕 治好さん
竹川 美奈子さん
大江 英樹さん

この4人のセミナーは「1日で本当に大切なことが学べるセミナー 「“惑わされない”資産運用」」を書籍化したものです.大阪では2017年01月開催されました.

  1. 情報に惑わされない 馬渕 治好さん
  2. なぜ投資をするのかをしっかり考えて欲しい.例えば,定年後に少し余裕のあるくらいの生活をするためにしている人と,定年後に世界1周旅行を何回もしたい人で必要になるお金の額は全然違う.
    各々が置かれた状況(年収・預金額・家族構成やシニアプランなど)が違うのに,皆共通解を求めたがるんです.
    自分で考えるのはしんどいです.だからと言って人の言うことに振り回されるとその人の奴隷のようになってしまいます.

    「銀行や証券会社に騙されるな」と言う人が時々います.果たして彼らの中で本当に私たちを騙そうとしている人はどれくらいいるのでしょうか?
    私は決して多くないと思う.銀行・証券会社の人は投資のプロではなく,販売のプロです.
    お客さんのためになると信じて彼らも仕事しているが,彼らの情報は歪んでいるんだ意識して話を聞くべきです.
    銀行や証券会社の人が言うことを100%信じる・信じないは思考停止の1つであると私は思う.
    売る側に問題があると言う人がいます.もちろんそれもあるが,私は投資家側にも問題がある思う.

    自分たちに必要な情報を取捨選択して自分で実行するためにどうしたらいいのかと言う観点で私の章は書きました.


  3. 相場に惑わされない 岡本 和久さん
  4. 個人にとってリタイア後のための経済基盤を築くことが何よりも大切.それを真ん中に据えて,余裕のあるお金で個別株を研究して売買するのはいいこと.
    では,どうすればいいかと言うとそれはシンプルでグローバルなポートフォリを毎月積み立てる.たったこれだけ.だけどそれを始めること・続けることは非常に難しい.

    トランプさんが大統領選に勝利したことが決定した前後の日本の株式相場でトヨタ自動車の株価が1日で500円近く増減した.
    トヨタ自動車の発行株式数から計算すると1年分くらいの利益がこの間に増減したことになる.
    トランプさんが大統領になることがそれだけの影響力があるのかと言うことを冷静に考えた時,それは実体ではなく影なんだと言うことがわかる.
    影は光を当てる方向によって実体よりも大きくも小さくもなる.影はいくら追いかけても捕まれらえないんだから意味のない.

    株を頻繁に売買することで儲けられるのは手数料を受け取る証券会社だけ.決して株価を追いかけないこと.

    そしてするべきことは,自分が決めたアセットアロケーションがズレが生じた部分を戻すだけ.年に3回もチェックすれば十分.毎日見てもやる気を出してくれるものでもない.
    至って簡単なことをするだけでリタイア後の経済基盤が築くことができる.これだけだと退屈だと言う人は個別株式を熱心に研究して売買すればいいし,他にするべきことがあればそれをすればいい.


  5. 商品に惑わされない 竹川 美奈子さん
  6. 岡本さんが言っていたグローバルなポートフォリオを作るのがいいと言うところに落ち着きました.
    それを実際の商品を使ってどう再現するかと言うのを私が担当しました.08年くらいまではなかなかそれを実現するには大変でした.
    それ以降は環境が整ってきて非常にやりやすく,15年からは低コスト革命などと言われ08年以前からすると考えられないくらい低い信託報酬でできるようになりました.

    よくアクティブファンドはダメなのかと質問を受けます.これを始めると朝生(朝まで生テレビ!)ができるくらい議論が尽きないのでことでは触れません
    けど,どう言う目的で投資をするのかが鍵となってて,資産形成を長期で考えるならやはりインデックスファンドだと思います.それにプラスαでするならありだと思うんですが,一番最悪なのが何も考えずに買うこと.例えば社長がイケメンとか,ファンドマネージャーがテレビで取り上げられたとか,証券会社が勧めてきたとかでアクティブファンドを購入するのが本当最悪です.

    アクティブファンドの話に補足として
    株の経験がない人はアクティブファンドを買わない方がいいと思う(大江さん)
    アクティブファンドを沢山持つのが一番意味がない.例えば日本株についてはアクティブファンドを少し入れてみるくらいがちょうどいい(岡本さん)


  7. 自分に惑わされない 大江 英樹さん
  8. 前職で沢山のお客さんと対面していて必ず同じところで同じ失敗を繰り返すなと思っていた.行動経済学と言う学問に出会って「これだ!」と思ってのめり込み色々と本を読み漁った.
    人間は必ず感情に惑わされる.そうしないためにルール化したり,少額の内に不合理な自分を体感しておいたりすることが大切だと思う.
    幸い今は100円から投信が買えるようになったので,毎月100円で資産形成は難しいが一度やって見て少額の間に特に損をした時の自分の感情を変化を体験してほしい.

    今は株価が堅調なのでいいですが,いつかは暴落するはず.ずっと上がり続けるなんてことはありえない.地獄を見る前に地獄体験をしておくことで地獄に落ちないで済むんです.



質疑応答
Q.資産形成に向かない金融商品を買ってしまうのは投資家にも責任があると仰ったが,金融機関側も適合性の原則に反しているのではないかと思うがどうですか?(菟道りんたろうさんが質問されました)

A.(馬渕さん)今までは適合性の原則が形骸化していたと思います.年齢で線引きをするなどで.その次にフィデューシャリーデューティーが出てきました.これでいい方向に変わればいいとは思うが・・・それに対応するには投資家側のレベルアップを求めていきたい.

(大江さん)金融機関が自分たちの利益を最大限にするのは当然のこと.そうしないと株主に怒られるから.なので投資家側がダメな商品を買わない・無視することが一番.そうするとそんな商品は売れないから作らなくなる.売れない商品を作ったら株主から怒られるから.

(岡本さん)適合性の原則とフィデューシャリーデューティーを混同しないように.私たちは投資家サイドのレベルアップをするために活動している.

(竹川さん)金融機関のフィデューシャリーデューティーをチェックする.それに応じた商品を販売しているのかどうかチェックする必要がある.後,普段家電などを商品を決めてから買うお店を決めるのに,金融商品は買うお店を決めてから商品を決める.金融商品だけ特別扱いせず,自分に向いた商品は何なのか,それはどこで一番安く買えるのかと考えて欲しい.


もう1つ質問が出たが,このテーマには関係ない話なんで割愛


感想
この4人が集まって話を聞けるってとても贅沢なことです.それぞれの方々のソロでも十分に価値のある内容でした.
情報との付き合い方は馬渕さん,相場との付き合い方については岡本さん,商品の選び方については竹川さん,自分自身との付き合い方については大江さんがそれぞれ説明してくれました.
順番もよく練られており特に引っかかることもなく聞くことができました.
いきなりこの本を読めば,成功する投資家になるとは限らないでしょう.しかしながら数々ある投資を始める前に読む本としては大変役に立つと思います.


懇親会
このイベント終了後に参加者の菟道りんたろうさん,cafeさん,FPの松本さんと4人でルクアで懇親会をしました.
特にアクティブファンドとの付き合い方についての菟道りんたろうさんの考え方はとても大事だと思いました..是非どこかでセミナーでもやっていただきたいと思うくらいの素晴らしい内容でした.


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