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「セゾン号」の長期投資入門~全国つみたてNISA勉強会~in大阪 に参加してきました

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3連休の初日にセゾン投信主催のセミナーがありましたので参加してきました.
「全国つみたてNISA勉強会」のネーミング通り,つみたてNISAの制度概要・利用方法についての説明がありました.それ以外に,初年度利用分の非課税期間が今年終了する一般NISAの取り扱いについての例示などありました.


プログラム

14:00~14:45 「『つみたてNISA』の制度目的を読み解く」 中野 晴啓 社長

14:45~15:30 「『つみたてNISA』の活用法」 房前 督明 さん

15:30~16:00 質疑応答


「つみたてNISA」の制度目的を読み解く

前半は中野社長のパートでした.

リーマンショックからちょうど10年という節目のためリーマンショック時代を振り返った話もありました.
セゾン投信の創業から11年半で,リーマンショックが10年前.対外的には凹んでいないように装っていたものの,私も人間なので多少は凹んでいた.いずれ回復すると確信したがどれくらいで回復するのだろうと心配だけしていた.

セゾン投信としては,つみたてNISA制度が開始以降仲間になった方の6割はつみたてNISAを利用している.
既存の金融機関の多くはアリバイ作りのため当初は積極的に力を入れていた.ある程度のセールスはできたので,来年や来年までは下火になってきている印象がする.
それは,多くの金融機関の投信のスタイルが,「短期」・「集中」・「一括」投資だからで,つみたてNISAのスタイルの「長期」・「分散」・「積立」と正反対だから仕方ない.

先日,金融庁が公表した共通KPIの1つでらう運用損益別顧客比率で29行の都銀地銀で投信を購入した人の46%が運用損益がマイナスになっている.
他方で,ネット証券4社では26%の人は運用損益がマイナスになっている.
セゾン投信の場合は,15%だけである.

Seison KPI1
Seison KPI2

セゾン投信の受益者の方で,このマイナスの人も運用損益はマイナス10%以下がほとんどである.そして,セゾン投信のお客様になって1~2年目の方に集中している.いくら適温相場だったとは謂えども,これは仕方がないこと.


「つみたてNISA」の活用法

後半は房前さんのパートでした.つみたてNISAの具体的な活用方法を金融庁の作成したつみたてNISA早わかりガイドブックに沿っての解説でした.
加えて,一般NISAの初年度利用分が今年で終了するため,どう取り扱うべきかについての解説も一緒に行われました.

一般NISAとつみたてNISAは同じNISAで非課税制度という共通点があるものの異なる制度だという認識が必要.
つみたてNISAは「資産形成をするにあたって,一般投資家は余計なことをするとロクな結果にならない」という考えの下,選べる商品までガチガチに固めている制度.
米国のデータでも指数でのリターンに対して個人投資家の得たリターンは低い.個人投資家があれこれと取った行動は結果に結びつきにくい.

一般NISAの初年度分が今年で非課税期間を終える.これをロールオーバーするのか,課税口座に移すのか,売却するのかを悩んでいる人が多いと思う.注意しないといけないのは,今回ロールオーバーすると,時限制度のためにさらにもう1回ロールオーバーできないことに注意しておく必要があるということ.
今回のロールオーバーで利益が出ていて,ロールオーバーして,次の5年後には損失が出ていた場合に課税口座に出される.初年度に投入した100万円が元本割れして課税口座に吐き出されて,100万円に戻ったとしても課税される.これが厄介.
金融庁のパンフレットにも5年間の運用期間で切った場合,20%のくらいマイナスになる可能性がある.ロールオーバーを考えいる人はそこまで考えてするべき.


質疑応答

質疑応答の時間が設けられていたものの,講演が超過してしまったため短めとなりました.
Q.夫婦で年に80万円積立をするとした場合,夫婦2人でつみたてNISAを利用した方がいいのか,一人分で80万円投資したらいいのかどちらがいいでしょうか?(男性)

A.余力があるなら非課税枠を多く利用した方がいい.そのため40万円×2人分で利用するという選択は正しい.無理だけはしないようにしてください,(中野社長)


セミナーに参加して

私自身はつみップの主催や各種メディアでの情報収集などにてつみたてNISAの制度設計は理解していました.
2018年も3分の2が終わろうとしているのでセゾン投信の受益者ならつみたてNISAのことは大半が理解しているのではと思っていましたが,まだ制度の理解も不十分なようで真剣にメモを取っていたり,考えている方なども散見されました.

セゾン投信の信託報酬での競争力ではやや遅れているのは承知の通りです.しかしながら,受益者への積極的な情報提供が今回の共通KPIの公表で実を結んでいるというのがはっきりしました.
ここまではっきりと運用成果が出ていると少々信託報酬が高くても,セゾン投信に資金を預けようと思う受益者が多いのもうなずけます.
2007年から受益者なのに運用損益がマイナスになっている方は,創業当時からお付き合いのある著名な方で資金が必要なためやむを得ず少しだけ残して売却した為のようです.
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