第9回「結い2101」受益者総会 に参加してきました
09月の連休を利用して鎌倉投信の受益者総会に参加してきました.
2018年09月22日 12:00ー16:15 横浜港大さん橋ホール
企業展示ツアー
開演挨拶 鎌倉投信 代表取締役社長 兼 資産運用部長 鎌田恭幸 氏
「結い2101」決算・運用報告 鎌倉投信 資産運用部 ファンドマネージャー 鞘本剛 氏
「世代をこえて想いを結ぐ」講演
基調講演 伊那食品工業 代表取締役 副社長 塚越英弘 氏
”いい会社”の経営者講演 コタ 代表取締役 社長 小田博英 氏
パネルディスカッション
「世代をこえて想いを結ぐ」
これからの挑戦 前 鎌倉投信 取締役 資産運用部部長 新井和宏 氏・IKEUCHI ORGANIC 代表取締役 代表 池内計司 氏・代表取締役 社長 阿部哲也 氏
これからの鎌倉投信 鎌倉投信 代表取締役社長 兼 資産運用部長 鎌田恭幸 氏
閉会のあいさつ
鎌倉投信の投資先・取引先のブースを順番に回って企業紹介をする毎年午前の受益者大移動イベント.

スワンベーカリー→CHOCOLABO→丸吉日新堂印刷→コタ→ピジョン→ほぼ日→IKEUCHI ORGANIC→伊那食品工業の順で紹介し回っていきました.これまでは新井さんがやっていたのですが,今回から社員の上林さんが担当していました.
鎌倉投信は創業から10年目を迎えて次のステージに向けての組織づくりを考えて行っていく必要がある.その中で創業メンバーの新井さんが抜けることになった.新井さんの新しい挑戦を応援したい.
創業当時からを振り返ると,赤字が続きこのままでやっていけるのかという心配があった.
創業した時は,「きれいごとでは成功しない」とか,「他人のお金で社会実験をするのか」など厳しい言葉も頂いたが,東日本大震災が鎌倉投信にとっては1つの契機となった.今でも歴代の最大の資金流入があった.ここで結果を求める焦りから解放された.
よく成功には運が必要だと言われる.様々な経営者の方とお話しさせていただいて学んだことは,成功する人は運が巡ってくるまでは決して諦めないということだ.これからも諦めずに頑張っていきたい.
結論から書くと,約束以上にしっかりと成果を出し運用されていました.
概況としては,純資産総額が286億→372億円(+30%),総顧客数は,口座開設者数・定期定額購入者数がともに+10%でした.
直近1年間の収益率はTOPIX配当込みが7.87%に対して,結い2101は9.52%とでした.
そもそもTOPIXはベンチマークではないので比較しても仕方ありません.あくまでもわかりやすくするためのものです.
リスクは10%以内,リターンが5%を目指しているファンドで,リスクは約8%,リターンは9.52%だったので花丸のパフォーマンスでした.
現在の結い2101の基準価額の変動率(リスク)は8%のため本来であれば株式のウェイトを上げ,+2%のリスクを取る必要がある一方で簿価ベースの基準価額に対して現在の基準価額の乖離が20%を超えています.急落時には,リスク10%の2倍以上の下落を起こす可能性があり株式比率を上げないようにしているようです.
分配金は今回も0円でした.結い2101は分配金再投資型のため分配金を出しても税金が引かれた後に再投資に回るだけなので極力分配しない方針だそうです.
第9期の取引コストは約0.04%でした.前期が0.026%だったのでかなり割高に見えたようで,質疑応答で受益者から質問が入りました.これは純資産の増加によって売買の量も相対的に大きくなった影響で問題ないとのことでした.
現在の組み入れ銘柄は64社,第9期は新たにホープ,MS&Consulting,萩原工業の3社が組み入れられました.目標投資比率は1.2%(約4.5億円)です.
なかなか極端な物の例えでしたが,伊那食品工業では売上や利益は「ウンチ」のようなものと捉えている.食べる時にこれくらいの「ウンチ」を出すために,これくらいの食事を食べないといけないと考えないのに,売上や利益に対してはそうやって考える.そうするからおかしなことになる.売上・利益は結果であるので目標などは考えない.
IR活動の結果,鎌倉投信を知り同じ「いい会社」を発していたので気になっていた.金融機関で東京の一等地にある高層ビルにあるオフィスと思っていたら鎌倉にあると知って半信半疑で尋ねた.
コタの判断基準は損得ではなく善悪

会場からの質疑応答がありました.
Q.寒天の健康効果は?その他の健康食品は?
A.寒天の主成分は食物繊維.これが健康にいいと言われている.他には可食性フィルムとしての用途がある.いま問題となっているプラスチックごみ問題の対策になる可能性がある.
Q.理念の共有をできない社員とはどう接するか?
A.コタでも一定数いるが仕方がないこと.会社の方針に背くような行為があった場合は全社員でそれを共有する.そうしていく内に会社を去っていく.
伊那食品工業では幸いほとんどいなかった.過去に1名そういうのがあったが会長曰く,仕組みが悪かったんだと仰っていた.
このセッションの前半は新井さんの新会社eumo(ユーモ)についてです.会社名の由来はギリシア語の「ユーダイモニア」という持続的な幸福から取った.
鎌倉投信で10年かけても実現できなかった機能,非上場株式への投資.鎌倉投信としては非上場の会社には社債という形で投資している.
結い2101は上場・非上場に関わらずいい会社への投資を目的とした投資信託です.ルール上は非上場株式への投資も可能だが,個人投資家保護の観点から許されなかった.
IKEUCHI ORGANICさんは鎌倉投信以外にもベンチャーキャピタルからも出資を受けていた.今年の9月末がベンチャーキャピタルからの投資契約の期限となっている.何とかして IKEUCHI ORGANICを救える方法を考えたが,利益相反のため新井が鎌倉投信を去る以外の方法しかなかった.
この10年でわかったことは,お金だけでは真の支援にはならないということ.
この10年で培ったことは,共感を資本にできること.

後半は IKEUCHI ORGANICの2人も合わせて3人でのセッションでした.
社長を譲った池内さん,引き継いた阿部さんとそれぞれの IKEUCHI ORGANICに込めた想いを聞くことができました.
香港の店がオープンした話は IKEUCHI ORGANICのページで知りました.しかし結いだよりでファンの方がオウンリスクでやっているのです.
WEBからの質問
Q.04月の運用報告会ではこれからの10年の話をしていた矢先に新井さんが退職となった.受益者や取引先はどう行った反応だったか?
A.社長の鎌田がいる,私がいなくなっても運用が継続できる仕組みを作った,若い人を育てるのと IKEUCHI ORGANICを救うのとを悩んだ末後者を選んだ.
社会全体を見ても,創業時に比べて社会が当社の理念に追いついてきたようにも感じる.
例えば,ESG投資の広がり,SDGsの流れなど世の中全体が企業活動の社会性に着目し始めている.鎌倉投信の定義する投資のリターン=資産形成×社会形成×こころの形成 という考え方は先見の明があったのではないかと感がている.

A.毎営業日等配分にするリバランスを行うために,純資産が大きくなると金額は大きくなる.特段に高い訳ではないのでご安心ください.
Q.純資産総額が400億円に近づいてきた.このまま流入が続いた場合,どのかでストップをかけるのか?
A.結い2101の場合,いい会社の数と企業価値でファンドの規模が決まる.それが100社あるとして,700〜1,000億円くらいかと考えている.
運用方針は変わらず,鎌倉投信には引き続き積立投資して行こうと思います.
開催概要
第9回「結い2101」受益者総会 「人」~世代をこえて想いを結ぐ~2018年09月22日 12:00ー16:15 横浜港大さん橋ホール
企業展示ツアー
開演挨拶 鎌倉投信 代表取締役社長 兼 資産運用部長 鎌田恭幸 氏
「結い2101」決算・運用報告 鎌倉投信 資産運用部 ファンドマネージャー 鞘本剛 氏
「世代をこえて想いを結ぐ」講演
基調講演 伊那食品工業 代表取締役 副社長 塚越英弘 氏
”いい会社”の経営者講演 コタ 代表取締役 社長 小田博英 氏
パネルディスカッション
「世代をこえて想いを結ぐ」
これからの挑戦 前 鎌倉投信 取締役 資産運用部部長 新井和宏 氏・IKEUCHI ORGANIC 代表取締役 代表 池内計司 氏・代表取締役 社長 阿部哲也 氏
これからの鎌倉投信 鎌倉投信 代表取締役社長 兼 資産運用部長 鎌田恭幸 氏
閉会のあいさつ
企業展示ツアー
会場は10時開場でしたが,私をはじめ多くの受益者が開場前より詰めかけていました.鎌倉投信の投資先・取引先のブースを順番に回って企業紹介をする毎年午前の受益者大移動イベント.

スワンベーカリー→CHOCOLABO→丸吉日新堂印刷→コタ→ピジョン→ほぼ日→IKEUCHI ORGANIC→伊那食品工業の順で紹介し回っていきました.これまでは新井さんがやっていたのですが,今回から社員の上林さんが担当していました.
開演挨拶
鎌田さんから冒頭の挨拶でした.鎌倉投信は創業から10年目を迎えて次のステージに向けての組織づくりを考えて行っていく必要がある.その中で創業メンバーの新井さんが抜けることになった.新井さんの新しい挑戦を応援したい.
創業当時からを振り返ると,赤字が続きこのままでやっていけるのかという心配があった.
創業した時は,「きれいごとでは成功しない」とか,「他人のお金で社会実験をするのか」など厳しい言葉も頂いたが,東日本大震災が鎌倉投信にとっては1つの契機となった.今でも歴代の最大の資金流入があった.ここで結果を求める焦りから解放された.
よく成功には運が必要だと言われる.様々な経営者の方とお話しさせていただいて学んだことは,成功する人は運が巡ってくるまでは決して諦めないということだ.これからも諦めずに頑張っていきたい.
「結い2101」決算・運用報告
受益者総会のメインイベントです.今回から鞘本剛さんが担当となります.結論から書くと,約束以上にしっかりと成果を出し運用されていました.
概況としては,純資産総額が286億→372億円(+30%),総顧客数は,口座開設者数・定期定額購入者数がともに+10%でした.
直近1年間の収益率はTOPIX配当込みが7.87%に対して,結い2101は9.52%とでした.
そもそもTOPIXはベンチマークではないので比較しても仕方ありません.あくまでもわかりやすくするためのものです.
リスクは10%以内,リターンが5%を目指しているファンドで,リスクは約8%,リターンは9.52%だったので花丸のパフォーマンスでした.
現在の結い2101の基準価額の変動率(リスク)は8%のため本来であれば株式のウェイトを上げ,+2%のリスクを取る必要がある一方で簿価ベースの基準価額に対して現在の基準価額の乖離が20%を超えています.急落時には,リスク10%の2倍以上の下落を起こす可能性があり株式比率を上げないようにしているようです.
分配金は今回も0円でした.結い2101は分配金再投資型のため分配金を出しても税金が引かれた後に再投資に回るだけなので極力分配しない方針だそうです.
第9期の取引コストは約0.04%でした.前期が0.026%だったのでかなり割高に見えたようで,質疑応答で受益者から質問が入りました.これは純資産の増加によって売買の量も相対的に大きくなった影響で問題ないとのことでした.
現在の組み入れ銘柄は64社,第9期は新たにホープ,MS&Consulting,萩原工業の3社が組み入れられました.目標投資比率は1.2%(約4.5億円)です.
「世代をこえて想いを結ぐ」講演 基調講演
伊那食品工業の副社長 塚越英弘さんの講演でした.なかなか極端な物の例えでしたが,伊那食品工業では売上や利益は「ウンチ」のようなものと捉えている.食べる時にこれくらいの「ウンチ」を出すために,これくらいの食事を食べないといけないと考えないのに,売上や利益に対してはそうやって考える.そうするからおかしなことになる.売上・利益は結果であるので目標などは考えない.
”いい会社”の経営者講演
コタの社長の小田博英さんの講演でした.IR活動の結果,鎌倉投信を知り同じ「いい会社」を発していたので気になっていた.金融機関で東京の一等地にある高層ビルにあるオフィスと思っていたら鎌倉にあると知って半信半疑で尋ねた.
コタの判断基準は損得ではなく善悪
パネルディスカッション

会場からの質疑応答がありました.
Q.寒天の健康効果は?その他の健康食品は?
A.寒天の主成分は食物繊維.これが健康にいいと言われている.他には可食性フィルムとしての用途がある.いま問題となっているプラスチックごみ問題の対策になる可能性がある.
Q.理念の共有をできない社員とはどう接するか?
A.コタでも一定数いるが仕方がないこと.会社の方針に背くような行為があった場合は全社員でそれを共有する.そうしていく内に会社を去っていく.
伊那食品工業では幸いほとんどいなかった.過去に1名そういうのがあったが会長曰く,仕組みが悪かったんだと仰っていた.
「世代をこえて想いを結ぐ」これからの挑戦
大半の受益者が気になっていたのは,ここでの新井さんによる鎌楽投信を去った経緯についての説明だったのではないでしょうか.このセッションの前半は新井さんの新会社eumo(ユーモ)についてです.会社名の由来はギリシア語の「ユーダイモニア」という持続的な幸福から取った.
鎌倉投信で10年かけても実現できなかった機能,非上場株式への投資.鎌倉投信としては非上場の会社には社債という形で投資している.
結い2101は上場・非上場に関わらずいい会社への投資を目的とした投資信託です.ルール上は非上場株式への投資も可能だが,個人投資家保護の観点から許されなかった.
IKEUCHI ORGANICさんは鎌倉投信以外にもベンチャーキャピタルからも出資を受けていた.今年の9月末がベンチャーキャピタルからの投資契約の期限となっている.何とかして IKEUCHI ORGANICを救える方法を考えたが,利益相反のため新井が鎌倉投信を去る以外の方法しかなかった.
この10年でわかったことは,お金だけでは真の支援にはならないということ.
この10年で培ったことは,共感を資本にできること.

後半は IKEUCHI ORGANICの2人も合わせて3人でのセッションでした.
社長を譲った池内さん,引き継いた阿部さんとそれぞれの IKEUCHI ORGANICに込めた想いを聞くことができました.
香港の店がオープンした話は IKEUCHI ORGANICのページで知りました.しかし結いだよりでファンの方がオウンリスクでやっているのです.
WEBからの質問
Q.04月の運用報告会ではこれからの10年の話をしていた矢先に新井さんが退職となった.受益者や取引先はどう行った反応だったか?
A.社長の鎌田がいる,私がいなくなっても運用が継続できる仕組みを作った,若い人を育てるのと IKEUCHI ORGANICを救うのとを悩んだ末後者を選んだ.
これからの鎌倉投信
新井さんは運用を伝承できる仕組みを作ってくれた.鎌倉投信は,新井さんが抜けても一切変わらない.鎌倉投信では,誰か一人だけで決めるのではなく社員全体で決定する仕組みになっている.社会全体を見ても,創業時に比べて社会が当社の理念に追いついてきたようにも感じる.
例えば,ESG投資の広がり,SDGsの流れなど世の中全体が企業活動の社会性に着目し始めている.鎌倉投信の定義する投資のリターン=資産形成×社会形成×こころの形成 という考え方は先見の明があったのではないかと感がている.

質疑応答
Q.取引コストが第9期(0.04%)は第8期(0.026%)に比べて倍になっている.これは問題ないのか?前回が低すぎたのか?A.毎営業日等配分にするリバランスを行うために,純資産が大きくなると金額は大きくなる.特段に高い訳ではないのでご安心ください.
Q.純資産総額が400億円に近づいてきた.このまま流入が続いた場合,どのかでストップをかけるのか?
A.結い2101の場合,いい会社の数と企業価値でファンドの規模が決まる.それが100社あるとして,700〜1,000億円くらいかと考えている.
感想
私の運用方針を左右しかねない運用責任者の退職.本人より経緯をFacebookで発表後に直接聞けたのであまり気にしていませんでした.寧ろ新会社のeumoについて大まかな事業の詳細を聞くことができて,内心ワクワクしています.運用方針は変わらず,鎌倉投信には引き続き積立投資して行こうと思います.
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