鎌倉投信 第10回「結い2101」受益者総会にボランティアで参加しました(後編)

前編では第一部「結い2101」決算・運用報告 について書きました.長くなったので後編では第二部・第三部について書きたいと思います.
第二部「いい会社」の経営者講演・パネルディスカッション~社会課題解決を使命に変えた経営者~
第二部ではいい会社の経営者講演として,ユーグレナの出雲充さんとすららネットの湯野川孝彦さんの講演がそれぞれ50分,その後MOTHERHOUSEの山口絵理子さんを交えてパネルディスカッションが40分実施されました.出雲さんの講演
壇上に上がるや否や,ミドリムシの連呼です.私の大好きなミドリムシの話を50分もできて非常に興奮している,3連休の初日に京都の観光地を回らず「ミドリムシ」の話を聞きに来る受益者を出雲さんが心配し早速会場を和ませていました.
出雲さんはこれまでに様々な場面で「絶対に無理」と言われたことを成し遂げてきた.例えば,ミドリムシを当時実験環境でさえ1年で100gしか培養できなかったものを屋外100tも大量培養する技術の開発や大学発ベンチャーの東証一部上場などである.
「絶対に無理」と言われると燃える性格.
現在も国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化に向けて挑戦中である.まだ1L 10,000円と非常に割高であるが150円を目指している.
湯野川さんの講演
このパートと次のパートとの間は舞台廻りの仕事が多くしっかりと聞くことができませんでした.内容は2019年05月に開催された「いい会社の経営者講演」と同じような内容だったと思います.当該記事をご参照ください.
パネルディスカッション
パネルディスカッションではMOTHERHOUSEの山口絵理子さんを加えて鎌倉投信の運用責任者の鞘本さん進行で始まりました.先ずは山口さんから15分間の講演がありました.
講演が始まると出雲さんが壇上から下りて自社の名刺入れと1冊の本を席に取りに戻って舞台の下で山口さんの話を聞き入っていたのが後々の伏線でした.
最初に受益者への質問がありました.
受益者総会に初めて参加する人 → 結構多かった
起業した 起業したい人 → チラホラいた
登壇している3社の商品を実際に使っている人 → かなり多かった
出雲さんのネクタイ
出雲さんのネクタイについて質問がありました.最初は社員に貰ったもので現在は合計4本持っている.
出雲さんから山口さんへ質問
それ以上に出雲さんが山口さんに聞きたいことがあり,「山口さんって,悩んだことないでしょ?」と質問がありました.
山口さんは即答で「そんなことないです!毎日悩んでます!」と全否定.山口さんの驚いたリアクションもあり会場が和みました.
経営していて嬉しかったことは?
湯野川さん:成績がオール1だった生徒が「勉強が楽しい」と言ったことが衝撃を伴って嬉しかった.またそれによって責任の重さも感じた.
山口さん:最初は不良品率が高くて苦しんでいた.お客様が現地工場を訪問するツアーとしてから工場の雰囲気が大きく変わったことが嬉しかった.
出雲さん:本社が入っているビルの清掃の方からの言葉.他の会社は社是とゴミ箱の状況が一致していない中,当社のゴミ箱は一致していると.
四方山話
ユーグレナの社員の名刺入れはMOTHERHOUSEの名刺入れを支給しているとのことです.しかも,"ミドリムシ"色を特注で作ってもらっているそうです.冗談ではありますが,「パソコンは無くしても名刺入れは絶対に失くすな!」と出雲さんは社員に言っているそうです.何度も言いますが冗談です.
また,すららネットでも MOTHERHOUSEのバッグの保有率の高さに湯野川さんも気が付いたそうです.すららネットはまだまだ社員数が少ない中,使いやすさが支持を得ているようです.これには山口さんも大喜びでした.
第三部「いい会社」の社員さんたちとのパネルディスカッション~感動商品を生む社員たち~
最後のセッションは投資先企業の社員の方とのトークセッションでした.進行は鎌倉倶楽部の齋藤さんでした.登壇した企業は小林製薬,Pigeon,KAGOMEの社員さんでした.
最初に1社あたり7分間で会社・自己紹介がありました.
小林製薬の紹介
「“あったらいいな”をカタチする」というブランドスローガンのもと、世の中にない新しい商品を開発販売している会社.同じ5億円の売り上げであれば,100億円の市場の5億円ではなく10億円の市場で5億円のシェアを狙うことにしている.
Pigeonの紹介
哺乳瓶などの育児用品や介護用品、託児所運営も手掛けている会社.研究開発に最初携わりいいものは売れると思っていたが,売れないことが多かった.現在の部署ではいいものを如何に売るかの戦略を立てる部署にいる.
KAGOMEの紹介
KAGOMEと言えばトマトのイメージがありますが,トマトだけでなく野菜全体に力を入れている会社です.当社では社員全体で食を通じて社会に貢献したいというマインドでやっている.
いい商品とはどんなものと考えますか?
KAGOME:社会とつながっている商品かと考えている
Pigeon:系カツに彩りが加えられるもの
小林製薬:相手の想像を超えられるもの
Pigeonから小林製薬に質問:アイデアの源泉は?
小林製薬:全社員で定期的にアイデアを出すという風土があるのでそれでかなりのアイデアが出る.その積み重ねと思っている.
会場からの質問
Q.各社アイデア出しはよくしていると思うが良し悪しの分別の基準のようなものはあるのでしょうか?
A.需要や収益性があるのかどうかは大事にしている(小林製薬・KAGOME)
当社の場合,赤子などコミュニケーションが取れないので定性的な側面(表情など)も大事にしている(Pigeon)
Q.新商品が世に出るものもあれば,世の中から消える商品もあると思う.終売の基準のようなものはあるのか?
A.売れ行き・収益性は1つの指標(各社共通).社会的に必要とされているかどうかも1つの指標である(KAGOME).
Pigeonの商品の中には社会的に意義のあるものも存在している.それしかなくそれがなくなると困るという場合には収益性などを考慮せず販売を続けることもある.(Pigeon)
当社の紹介で最初お伝えした通り,ニッチな市場で勝負しているためそれがなくなると困るお客様がいないか,他に代わる物が無いのかなどを考えて終売していいのかということを考えている.(小林製薬)
今回参加して
前編・後編と2つに分割してお伝えしました.運用報告では引き続き約束した通りの運用をして頂いていることが確認できました.そのため引き続き積み立て投資を継続することを決めました.さて,今回は運営の方で受益者総会に参加させていただきました.私以外に受益者のボランティアが22名いらっしゃいました.総会の開催当日の大変さを身をもって体感した訳ですが疲れましたが大変楽しかったです.
来年は横浜なので参加を予定してますが,一般参加となりそうです.
次の鎌倉投信の姿を垣間見た受益者総会でした
今年は社長の鎌田さんが全く舞台に上がりませんでした.開会の挨拶や閉会の挨拶にもです.挨拶や司会・進行は全て鎌倉投信の社員の方々が担当しておりました.それでもこれまでの鎌田さん・新井さんの創業メンバーでの受益者総会と遜色ない受益者総会でした.鎌田さんは舞台の近くにいることもなく受益者の方と会場内でコミュニケーションを取っている姿をよく見ました.さわかみ投信の後に誕生した直販の運用会社は近々直面するのは創業メンバーの引退です.直販の運用会社の受益者の多くは創業メンバーの理念に共感し受益者となっています.次期メンバーが受益者から支持を得られなくなれば運用成績が良くても解約が相次いていくのではないかと考えます.
今年の総会の姿が鎌倉投信なりの1つの答えなのかと感じました.鎌田さんはまだ元気でやる気に満ち溢れているようなので実際の引退は先でしょうが2101年にも鎌倉投信が運用を続けていけるように準備もしているんですね.
おまけ
今回の受益者総会で使用していたネームプレートを頂戴しました.今後はこれをつけて活動したいと思います.
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