歯列矯正を始めます(医院選び編)

2022年11月末よりインビザラインというマウスピースを用いた歯列矯正を始めることになりました.
始めるにあたって,医院選び,受診した医院の印象,治療開始と3つに分けて記事にしたいと思います.少し前から医療機関を多く受診していることをツイートしておりましたが,矯正歯科を受診しておりました.
2016年に発症した顎関節症の治療として近隣の口腔外科では奏効せず,東京医科歯科大学の顎関節治療部(現,顎関節症外来)にて薬物療法や理学療法などを実施し症状が安定しております.
現在は半年に1回程度の受診で経過を見ていただいております.
根本的な原因は歯並び・噛み合わせが悪いことであり,初診時より歯列矯正を薦められておりました.
しかしながら高額な治療費や矯正装置のインパクトなどに抵抗があり先送りし続けておりました.
ご存知の通り新型コロナウイルス感染症の蔓延によりマスク装着が一般化しました.(その賛否は議論しません)
そのため矯正装置が目立つことによる抵抗感は無くなりました.
費用面についても自身の資産形成が現状のスタイルで継続できれば問題ない目処が立ったため,自身の健康にも投資していこうと決めました.
そして先送りし続けていた矯正治療を受けるべく医療機関探しを始めました.
今後同様の治療を受ける方の参考になればと自分が治療する上で考えたことをシェアしたいと思います.
前提として
- 保険適用が可能な場合は保険治療を選択しましょう 保険適応であれば自己負担は大きく減らすことができますので敢えてこちらを回避する必要はないと思います.
- 装置による治療成績の差は現在ほとんどないので自分の生活習慣・性格に応じて装置を選ぶ マウスピースは自分で取り外しができますが1日20時間程度装着していないと思った通りの治療結果が得られないとされています.つまり食事を速やかに済ませて歯磨きをしてマウスピースを装着する必要があるので食事会に参加する機会が多い方やそれが難しい環境にある業務に従事している方は従来のワイヤー矯正の方がいいかもしれません.
- 歯並びが悪い原因をしっかり調べてから治療に臨みましょう 前歯がガタついているからそこだけ治したい場合でもその原因が奥歯にある場合も珍しくありません.自分と似たような歯並びの写真がHPに掲載されていても歯科医師に診てもらいましょう.
背中を押したのは雑誌
歯列矯正をしようかと考えたタイミングでたまたま定期購読している雑誌でオンライン診療を介したローコストマウスピース矯正(以下,LCM)による歯列矯正を目にしたところから医院探しが始まりました.治療法は従来からあるワイヤー矯正に加えて今はマウスピース矯正も普及してきました.調べてみた範囲では現状は抜歯症例を含めてマウスピース矯正治療で治らないケースはごく僅かなようです.
一部ではマウスピース矯正では治らない症例があるという方もいますが,現在ではほぼ同等の治療成績のようです.
装置が外れることと痛みはワイヤーに比べて弱いことを考えると患者側としてはマウスピース矯正を選択するのでははないでしょうか.
雑誌で紹介されていたLCMではきちんと治らないことがわかり,そこから国内外の情報収集し医院探しでチェックする項目が大きく5つに絞り込めたので紹介します.
矯正治療を受ける医療機関の5つのチェックポイント
- 認定の有無 日本矯正歯科学会(https://www.jos.gr.jp/roster)の認定医以上の歯科医師を選択することできちんと治療される可能性が高いこと,費用面でも優位と思いました.
- カウンセリング・検査の有無 初診相談のカウンセリングと検査の有無も見極めに必要な項目と思います.
- 費用・期間 患者としては安いに越したことはないが治らなければ意味がありません.自由診療とは言っても大体相場があります.例えば東京23区で受診した場合表側のワイヤー矯正の場合いくらかなど数箇所HPで調べればわかると思います.そのエリアにも関わらず他に比べてかなり安い場合は受診してみるのは構わないがなぜ安いのかはしっかり聞く必要があります.例えば全国展開している医療機関で本社で一括で納品しているため全国どこでも低価格で提供できるなど納得できる理由でなければいいですがトータルでどのくらいになるのか確認が必要です.
- トラブル対応・通院のしやすさ ワイヤー矯正の場合は装置が外れてしまうことがあります.マウスピース矯正の場合でもアタッチメントという突起物が外れることもあります.特にワイヤー矯正の場合は速やかに対応する必要があります.
- 医師との相性 歯科医師との相性は非常に大事だと思います.何年にもわたって治療を一緒にするので腕はいいが感じが悪い,感じはいいが腕はイマイチな医師は避けたい.特に後者は絶対に避けたい.
歯列矯正は歯科医師であれば追加で免許を取得しなくてもできます.国内に様々な矯正歯科の学会がありますが矯正歯科の歯科医師が多く所属しているのが日本矯正歯科学会です.これ以外に矯正歯科学会と名前の付く学会がありますが全てここから派生した学会です.
歯科医師の認定制度があり,認定医,指導医と臨床指導医の3つがあります.医療従事者以外でもHPにアクセスでき近隣の認定医を検索することができます.
認定を取得しようとすると一般向けには大学卒業後も矯正を専門にやらないと取得できないと考えて問題ないと思います.なお,認定を取るためには従来のワイヤー矯正の症例以外認められませんのでワイヤー矯正の技術は確かですがマウスピース矯正の技術はその限りではありません.しかし,歯を動かす仕組みは基本的に同じなので技術は問題ないとと思います.
認定が決して太鼓判と言う訳ではありませんが,一定の技術・経験を持っていることが確認できます.
投資でいうインデックスかアクティブかの議論と同様に,認定を持たない一般歯科でも上手く矯正できる人はいますがそれは矯正歯科医でもないと見分けられません.であれば,認定医以上の歯科医師に治療をしていただくのが無難と考えます.
カウンセリングに行くと,最初はカウンセラーやトリートメントコーディネーターと呼ばれる方と現状と目指す歯並びや装置の希望など話をすることになります.カウンセリングが終わるまで矯正を担当する歯科医師が私たちの口の中の状態を見ない医院は避けたいです.
当たり前ですが,口の中の状態は10人いれば10人とも違います.そのため口の中の状態を見ないとどんな治療法になるのかはわかりません.歯を抜く必要があるのかないのか,前歯だけがガタついている場合でも原因が奥歯にある場合もあり検査せずに治療計画を立てるなどはあり得ない話です.そのため部分的に矯正治療をしたい場合でも口の中全体をまずは見てもらえる歯科医師が必須です.
検査にも通常の検査と精密検査と分けている医療機関もあります.
通常検査では口の中の写真とパノラマレントゲンの撮影と歯並びを光学スキャナーでデータを取るのが大半です.
これで大体の費用や治療の期間を明示されると思います.そこで治療計画の概要の話の際に患者自身の資料を用いて話をしてくれるかどうかも見極めポイントです.
その医院で治療を受けようと思う人がさらに精密検査へ進みます.大体は精密検査は有料で数万円するため一通り矯正歯科巡りが終わってから受ければ問題ありません.
精密検査ではCTやセファログラム(頭部X線規格写真)などを撮影します.
特に矯正治療についてはセファログラムの撮影は治療における地図のような役割を果たすためワイヤー矯正では勿論,マウスピース矯正でも必須です.地図を見ずに歯のあるべき位置などは分かりません.
これを取らずに治療を開始しようとする矯正歯科からはダッシュで逃げるべきと言われるくらい重要な検査です.
加えて現在ではCTの撮影も必須と言われています.理想とするべき歯並びに対して歯槽骨と言われる歯の土台の骨がどの程度あるのかは通常のレントゲンでは分かりません.シミュレーションではこの位置に移動させれば並ぶとなっても実際にそこに骨がなければ動かせません.どこに骨があるかはCTが必須です.
治療に必須な検査をしない医院は絶対に避けるべきです.
治療期間は成人の場合全部の歯の矯正の場合大体2〜3年を要します.
それが極端に短い,長い場合はその理由に整合性があるかの確認が必要です.歯の移動量は1ヶ月で1mmが安全にできる限界です.時間をかけてゆっくり移動させるなら何故なのか,早く動かすなら安全性の確認は必要です.
矯正歯科の場合,矯正歯科医が常勤でいますが,一般歯科の場合特定の日のみ対応となるケースがあります.
医療機関との物理的な距離以外に予約の取りやすさは重要です.
現在はオンラインで治療状況の確認ができるようになってきているものの,治療経過の確認など受診が必要になりますケースはあります.ワイヤー矯正は月に1回程度のワイヤーの交換のため通院しやすさは大事です.
受診のスケジュールが特定のこの日しか取れないなどこちらの予定ではなく医療機関側に左右されるようなところは患者に時間を十分に割いてもらえない可能性もあるので注意が必要です.
治療している患者数が多いとそうなってしまうのでそれは年間にどれくらいの患者の新規治療が始まっているのかを聞けばある程度判断がつくかと思います.
特に現在の歯並びを診てもらった際にネガティブな発言をする医師は注意が必要と思います.
後は歯科医師の年齢です.歯を動かす治療が完了まで3年程度,それと同等の期間後戻りを起こらないようにする期間が必要です.
歯科医師があまり年齢を重ねていると治療中や保定期間中に引退され転院を余儀なくされます.転院となった場合,転院元や転院先がどの程度配慮してくれるか分かりませんが費用の負担は避けられません.そうならないためにも一定程度の治療経験を積んだ30代から保定期間終了まで付き合えそうな50代が望ましいかと思います.
ベテランの歯科医師を選択する場合,治療途中で引退された場合のことを聞いてみるといいと思います.
あくまでも私見です
上に挙げたチェックポイントはあくまでも私が感じた私見ですので賛同できないことも多々あるかと思いますが参考程度にとどめてください.次回の個別医院受診編では実際に受診した12の医院についてそれぞれ感想を書きたいと思います.
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